WordPressドクターへの依頼背景と相談内容
東京都渋谷区で語学やプログラミングを教える小規模スクールでWordPressを使った公式サイトを活用し、生徒募集やイベント告知、体験授業の予約などを行っていました。教室の雰囲気や指導方針を写真や動画で伝えるなど、Webサイトは教室の顔とも言える大切な存在です。
ある朝、教室の代表であるF様のもとに、在校生の保護者から「サイトにアクセスできない」「セキュリティ警告が出ていて怖くて開けない」といった連絡が入りました。
慌ててサイトを確認すると、ブラウザには「この接続ではプライバシーが保護されません」という赤い警告画面が表示され、教室のホームページが事実上、閲覧不能になってしまっていたのです。
原因は、SSL証明書の有効期限切れ。証明書の自動更新が何らかの理由で正常に行われておらず、https通信が確立できない状態になっていたことが判明しました。とはいえ、クライアント自身にはサーバーや証明書の知識がなく、WordPressの操作にも不安がある状況。
「このままでは新規の問い合わせが止まってしまう」「教室の信頼にも関わる」との強い危機感から、SSL復旧に対応できる専門家としてWordPressドクターに緊急相談が寄せられました。
WordPressサイト調査と技術的課題の特定
WordPressドクターでは、まず現状のアクセス不可状態を確認し、どのようなエラーが出ているかを詳細にチェックしました。
ブラウザ上ではSSL/TLS証明書のエラーが表示されており、明らかに証明書の期限が切れていたことが分かりました。使用中のサーバーは大手レンタルサーバーの共用プランで、Let’s Encryptによる無料SSL証明書が使われていたものの、自動更新のスケジュールが正しく機能しておらず、期限切れのまま放置されていた状態でした。
また、WordPressの「一般設定」ではサイトURLがhttpsで固定されていたため、SSLが機能していない状態ではhttpでのアクセスにもリダイレクトがかかっており、事実上、サイト全体が封鎖されているのと同じ状態に陥っていました。
加えて、クライアント様はSSL証明書の操作方法を把握しておらず、管理画面へのログインも拒否されていたため、WordPressの管理画面へのアクセスすらできない二重苦の状態となっていました。
このままでは自力での復旧は困難と判断され、速やかに専門的な対応が必要な状況でした。
WordPressに実施した対応と復旧内容
WordPressドクターでは、即時対応可能な技術者がサーバーの管理パネルへアクセスし、SSL証明書の更新作業に着手しました。まずは現在の証明書情報を確認し、Let’s Encryptによる証明書を手動で再発行・インストール。これにより、https通信が再び有効になり、ブラウザでの警告表示が消えました。
次に、自動更新機能が正しく動作するよう、Cron設定やサーバー側の自動化スクリプトを確認・再設定。使用していたサーバーの仕様により、更新処理が定期的に失敗していた可能性が高かったため、更新タスクが確実に動作するような調整を施しました。
その後、.htaccessの設定ファイルを調整し、httpからhttpsへのリダイレクト処理がループやエラーを起こさないように最適化。また、混在コンテンツ(httpで読み込まれる画像やスクリプト)がないかをチェックし、必要に応じて画像パスの修正なども実施しました。
さらに、Google Search Consoleにも再クロールを依頼し、SSLの復旧が正しく検索エンジンにも反映されるよう対応。SEOへの悪影響を最小限に抑える処置もあわせて行われました。
今回の対応にかかった作業費用
SSL証明書の再発行と再設定、Cronの見直し、WordPressおよびサーバー設定の最適化
ー55,000円
作業は緊急対応として即日完了し、SSLエラーが発生してからわずか半日で復旧することができました。
WordPressドクターの対応成果とクライアントの反応
作業完了後、渋谷ラーニングスタジオの代表からは、「とにかくスピード対応がありがたかった。何よりも、生徒さんや保護者の皆さんに『戻りました』とすぐに伝えられたことが安心につながった」との喜びの声をいただきました。
また、「今後、また同じようなことが起きないようにしたい」との意向から、WordPressドクターが作成した「SSLの有効期限チェック」や「緊急時の確認手順」をお伝えしました。
実際に、SSLエラー発生中は新規のお問い合わせや予約フォームへのアクセスも遮断されており、対応が遅れていれば機会損失が発生していた可能性もありました。そのため、F様は「すぐに専門家に頼って本当によかった」と話され、現在ではWordPressの保守プランへの加入も検討中とのことです。
おわりに
SSL証明書は、現代のWebサイト運営において「当たり前」とされるインフラのひとつですが、その重要性は多くの運営者にとって見落とされがちです。
とくに無料証明書は有効期限が90日と短く、自動更新が機能しない場合は、知らないうちにサイトが「危険なサイト」と表示されてしまうリスクがあります。
今回のクライアントの事例のように、SSL切れは突然やってきますが、適切な技術と判断があれば、最小限の影響で復旧できることも事実です。
「SSLってよく分からないけれど、設定されているはず」と思っている方ほど、今一度、自サイトの状態をチェックすることをおすすめします。
そして、万が一のトラブルが起きたときは、WordPressドクターのような専門サポートに相談することで、迅速かつ的確な対応を受けることができます。
安心できるWebサイト運営は、こうした小さな対応の積み重ねから生まれるものです。