案件の背景とクライアントの課題
本案件のクライアントは、ITコンサルタントとして活動するベンチャー企業であり、自社の公式Webサイトを運営していました。このWebサイトは、WordPressを基盤として構築されており、情報発信や問い合わせ対応のためにカスタム投稿タイプを活用していました。
しかし、運用中に予期せぬ問題が発生しました。サイト内に意図していないページが自動生成されていることに気づき、運営側ではその原因が分からず対応に困っていました。クライアントはSEOやWebマーケティングにも力を入れており、無駄なページの増加によるSEOへの悪影響を懸念していました。
この問題により、検索エンジンのインデックスに不要なページが含まれる可能性があり、サイトの評価が低下するリスクもありました。また、ユーザーが誤ってこれらのページにアクセスすることで、サイトの信頼性が損なわれる懸念もありました。そのため、クライアントは早急な対応を希望し、WordPressドクターに依頼を行いました。
調査と原因分析
まず、問題を特定するために、以下の調査を実施しました。
サイト構造の分析
・WordPressの管理画面にログインし、投稿・固定ページのリストを確認。
・カスタム投稿タイプがどのように設定されているかを詳細にチェック。
・自動生成されているページの特定
実際に問題となっているページのURLをリストアップし、テンプレートファイルやクエリ設定を検証。
サーバーログを分析し、どのプログラムが意図しないページを生成しているかを確認。
コードの確認
functions.php やプラグインの設定を精査し、カスタム投稿タイプの登録方法が適切かを確認。
リダイレクト設定が正しく機能しているかをテスト。
調査の結果、カスタム投稿タイプの設定に誤りがあることが判明しました。具体的には、WordPressの register_post_type() 関数の設定ミスにより、不要なアーカイブページが自動的に生成されていたことが原因でした。
対応策の実施
問題を解決するために、以下の対応策を実施しました。
カスタム投稿タイプの設定チューニング
・register_post_type() の設定を見直し、不要なアーカイブページの生成を防止。
・has_archive の値を適切に設定し、意図しないアーカイブページの出力を制御。
・rewrite オプションを見直し、URL構造を整理。
・リダイレクト設定の実装
既に検索エンジンにインデックスされた不要なページについて、301リダイレクトを設定。
.htaccess ファイルの調整を行い、不要なページへのアクセスをブロック。
Google Search Console を使用し、インデックスされてしまった不要ページの削除リクエストを実施。
対応後の結果とクライアントの反応
対応後、以下のような改善が見られました。
不要なページの自動生成が停止
カスタム投稿タイプの設定を修正したことで、新たに不要なページが生成される問題が解消されました。
SEOの改善
既にインデックスされてしまった不要ページを削除し、適切なリダイレクトを設定したことで、検索エンジンの評価が最適化されました。
クライアントからの高評価
クライアントからは「短期間で問題を特定し、適切に修正してもらえた」「SEO対策を意識した対応をしてくれたおかげで、サイトの品質を維持できた」との好評をいただきました。
また、クライアントは今後もWebサイトを積極的に運用していく意向を示しており、今後の管理やメンテナンスについても継続的なサポートを希望されました。
お見積もり
項目 | 金額 (円) |
---|---|
WEBサイトの調査 | 3,000 |
カスタム投稿タイプの設定 | 3,000 |
合計 | 6,000(税別) |
まとめと今後の展望
本案件では、カスタム投稿タイプの設定ミスによる意図しないページ生成の問題を解決し、SEO対策を考慮した適切なリダイレクトを実施することで、Webサイトの品質を維持することができました。
この問題は、WordPressをカスタマイズして運用する際によく発生する課題の一つです。特に、カスタム投稿タイプを利用する際には、適切な設定を行わないと不要なページが生成される可能性があるため、慎重な設計が求められます。
今後、クライアントには以下の点を推奨しています。
・カスタム投稿タイプの追加・変更時には、専門家によるチェックを行う
・不要なページのインデックス状況を定期的に確認する
・サイトの更新・管理を適切に行い、問題が発生した際には迅速に対応できる体制を整える
WordPressドクターとして、今後もクライアントのWebサイト運用を支援し、より安全で快適な環境を提供できるよう努めていきます。